2019年自キ活振り返り雑記

キーボード#1 Advent Calendar 2019の13日目の記事です。


(@2_4kbd)です。 他の方のアドカレ記事を読んでいたら自分語りがしたくなったので雑記です。 お目汚し失礼いたします。

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2019年3月に自作キーボードを始めてそろそろ1年経ちます。 非常に濃い時間でした。 新しい世界で、ずっとわくわくを摂取していました。

いくつかキットを組み立てました。 オリジナルのキーボードもつくりました。 自作キーボードオンリーのイベントに行きました。

そんな1年弱を振り返り、来年はこれしたいあれしたいと喋るだけの記事です。

よろしければお付き合いください。

1月

自作キーボードを知る前です。 キーボードにこだわりはありませんでした。 こだわりはないですが、不満はありました。

  • Hyphen・Backspace・Arrow等の多用するキーが遠い
  • 右手小指に記号が集中
  • 無意味な横ずれ配列が打ちにくい

要はタッチタイピングの障害となる点が不満でした。 右手小指の複雑な記号群を完璧にタッチタイピングすることは至難の業です。私はできませんでした。 数字については、手首を浮かせることでタッチタイピングできましたが、目は画面を向いていても意識がキーボードを向いていました。 これでは意味がありません。口の筋肉に気を回しているようでは上手にお喋りできないのです。

これらの不満うち、一部はAutoHotkeyというツールで解決していました。

www.autohotkey.com

これを使ってAHKスクリプトを作り常駐させることで、キーボードからOSに送られるキーコードを「乗っ取る」ことができます。 例えば、キーボードの"a"を押すと、エディタには"b"が入力される、そんなスクリプトが組めます。(なんのいみが?)

自分の場合、左手で打つControlキーと右手で打つアルファベットを組み合わせて、BackSpace・Delete・Enter・Arrow等を乗っ取り入力できるようにしていました。 これはこれで大変便利で重宝していたのですが、問題がありました。 Shiftを重ねることができないのです。 AHKの仕様で、乗っ取った後のキーはそれ単独でのみOSに渡されるようになっていました(厳密にはもう少し複雑な話があります)。

よって、カーソル移動するときはCtrl+アルファベットで、範囲選択したい場合は現実のShiftキーとArrowキーで...ということになり、運用でカバー!💪を強いられていました。

あまりにも...スマートじゃない...。

加えて、横ずれが打ちにくい問題はハードウェアの話なのでAHKではどうしようもなく、なにか「自由なキーボード」はないかと、ブラウジングをしていました。

そんな折にPlanckというキーボードを見つけました。

olkb.com

上下左右ずれのない超ステキな配列、紹介動画を見てみると英語はなんもわからんがレイヤで複数のキーマップを扱えると。

まさに自分が求めていたキーボード!

それからすぐにHelixというキーボードを見つけ、キーボードを自作する人たちがいること・キットが販売されていて自分で組み立てる必要があること・国内でもキットが販売されていること を知るのにそう時間はかかりませんでした。

yushakobo.jp

「自由なキーボード」の世界がそこに広がっていました。

2月

そうは言ってもやっぱりハードルが高く、即購入はせずにひと月ずっと下調べだけしていました。 情報が多すぎて何をどう調べていたか、さっぱり覚えていませんが...

Planck・Helix・Corne・MiniAxeが選択肢に上がっていたと思います。 理路整然とキーが並んだ格子配列、魅力的でした。全てのキーボードがこうあるべきだ!とすら考えていました。 CorneはちょうどWhiteChocolate仕様のものが発売されていましたね。 当時はCherryやChocが何を意味するのか理解していませんでしたが。

2018年の自キアドカレを読んだりもしていました。 なんもわからんかったですが。 沼にしばらく浸かったあとに再度読むと、理解できる範囲が広がっていて2度楽しめました。

3月

MiniAxeを組み立てました。

kagizaraya.jp

実物は写真以上に小さくてほんとうにかわいいです。 格子配列であることと、36キーというミニマルさが決め手でした。

使用感も満足。 AHKでやりたくてもできなかったことがすべて叶ったことがまずなによりも嬉しかったです。 格子配列にもすぐに慣れました。 記号の位置だけ暗記が必要でしたが、自分で考えたキーマップなのでそれほど時間はかかりませんでした(マップを考える段階でそこそこ暗記できていた)。

紹介記事にある通り組み立て難易度は高かったです。 MCUよりもUSBのコネクタが曲者でした。 足のピッチが狭いのもそうですが、パッドがコネクタ本体で隠れているので暗い・コネクタにぶつかるとずれる で鬼でした。 MCUはちゃんとフラックス使えば大丈夫です。

4月

Naked48LEDを組み立てました。

salicylic-acid3.hatenablog.com

Helix Pico のピッチで格子配列で一体型、という国内自作キーボードは当時Naked48LEDだけだったのではないでしょうか? 自分の求めていた要件に合致したのですぐに食いつきました。 Helix Pico のピッチは、Kailh choc の純正キーキャップにぴったり合わせた横18mm×横17mmです。 手の小さい自分には、これがとても使いやすかったです。 狭ピッチを求めて購入したので期待通りではあるのですが、期待以上に打ちやすくてタイピングが楽しかったです。

(Naked48LEDなのにLEDを実装しなかったの、ちょっと設計者様に申し訳ないきもち。当時も今も、自分のキーボードが光ってほしいという感情がなく...)

5月

なにやら妙な事を考えています。

結局形にはなっていませんが、人の手の形状に合っていないというRow-Staggeredの弱点をRow-Staggeredのまま克服しようとしてました。 設計なんてできないので完全に妄想遊びです。

あとQMKをいじって、日本語配列設定のOS用のキーマップと英語配列設定のOS用のキーマップを切り替えられるようにしました。 これでどちらのOSに対しても同じキーマップで打つことができるようになりました。 Naked48LEDを家と会社両方で使いたかったのですが、家でUSキーボードのノーパソを使っていて、会社のPCの設定を日本語配列のままにしておきたい(いざというときその辺のキーボードが使えない)という状況でした。 自作キーボード、懐が深い。

6月

Treadstone48を組み立てました。

Yが近づいてるの絶対打ちやすい!と思って使ってみたら打ちやすかったです。 横ずれではあるけれど全て1/4Uずれ、シンメトリーでもあるので使用感はほとんど格子配列です。 それでいて人差し指が動きやすいtreadstone配列はすごい発明だと思います。

キーキャップは9009をアリエクで買いました。(ほんとはpaperworkがほしk)

あとキーボード用のTwitter垢をつくりました

7月

オリジナルのキーボードを設計しました。

ざっくり言うと狭ピッチのTreadstoneがほしくなってつくりました。 記事を書いてない...いつか書くのでここではこれくらいで。

余った基板をキットにしてBoothに放流しています。

2-4kbd.booth.pm

8月

モチを買いました。

make.dmm.com

すごくかわいいです。

9月

chocの狭ピッチでも小指がしんどいと感じ始め、物理配列をいろいろ考えていました。

10月

すいかを買いました。

keeb.booth.pm

すごくかわいいです。

Row-StaggeredやColumn-Staggeredにとらわれない物理配列を考えたりしていました。

みなもさん(@X___MOON___X)のことのは『詫寂』、なるさん(@nrtkbb)のuzu42、ぜろけーさん(@zk_phi)のGeminiに見られるMatrix-Staggeredが現れました。 エンドゲームのヒントのような気がします。

11月

ふくさん(@yfuku_)からアイテムをいただいて物理配列をいろいろ試していました。

なかなかしっくりくるものが見つかりません。 もしかして19mmピッチではどうやっても打ちにくいということ...?という考えがよぎります。

あとこれはキーボード関係ないですが、財布をつくりたくなって革細工を始めました。

11月30日と12月

天キーVol.3に行きました。

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キーボードのイベントに行くのは初めてでした。 目の前の全てが刺激的でしたが、縦14mmピッチのキーボードの打ち心地が個人的に刺さりました。

格子配列は決してエルゴノミクスとは言えませんが、それでもこのキーボードが運指が楽だったのです。 上下のキーが数ミリ近いだけでこんなにも楽に打てるのかと...。

これから

狭ピッチ

天キーの狭ピッチキーボードがきっかけで、今はオリジナルキーキャップの制作に興味が向いています。 3Dモデリングなんかやったことないです。これから勉強しなければなりません。 たぶん、やります。わかりませんが。

sekiei紹介記事

書きたいです。 完成してからもう半年経ちますが...。 なんというか、フィーリングで「こうしたい」を詰め込んだので、自分の動機をイマイチ言語化できないままでいました。 天キー3でキーボード紹介セッションをする際にある程度言語化できたので、今なら書ける気がします。

面接地

sekieiのボトムプレートには革が張ってあって、ゴム足ではなくプレート全体で接地するようになっています。 これには利点があって、これもsekiei紹介記事でちゃんと書きます。 今は財布つくって余った牛革を張っていますが、もっといい素材があるのか、革ならどんな革がいいのか、もっと詰めていきたいです。

さいごに

1年分書きましたが、結局、自キを始めたきっかけが書きたかっただけかもしれません。

TwitterでTLを眺めたり、今年の他の方のアドカレ記事を読んでいても、いろんな方がいろんな動機でわざわざキーボードを自作しているんです。 そして自分とは違ういろんな部分にこだわって、個性的なキーボードを生み出しています。 わくわくしませんか? なぜそれを?と訊きたくはなりませんか?

私はこんな経緯でキーボードを自作しました。

あなたは、どうしてキーボードを自作するんですか?


この記事はsekiei38で書きました